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アルゼンチンアリについて

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年12月1日更新

1 はじめに

アルゼンチンアリの写真南米原産であるアルゼンチンアリは、平成5年(1993年)に、日本で初めて広島県廿日市市で確認され、岩国市においては、平成13年に生息が確認されました。輸入資材、植木鉢などで人為的に移動することが多く、現在全国各地で生息が確認され、生息域が少しずつ拡大しています。
 大変繁殖力が強く、生態系等に悪影響を及ぼすほか、大量に発生するため不快害虫としての一面もあります。アルゼンチンアリについて紹介します。

2 アルゼンチンアリの生態と特徴

アルゼンチンアリの特徴

アルゼンチンアリの写真

学名 Linepithema humaile
体長 2~3mm
色  褐色~暗褐色
特徴 触覚は長く、体表面はなめらかで輝いている。
           毒針は持っていない。押しつぶすとカビくさい臭いがする。
●他のアリとの見分け方

 1.小さいアリで、触覚、足が比較的長い。
 2.細長い体型をしている。
 3.素早い動きである。ただし冬季は鈍る。

画像は「日本産アリ類画像データベース」より

習性

一つの巣に複数の女王アリが存在し、大きい巣には100匹の女王アリと何百万匹の働きアリがいることもある。巣同士は攻撃しあわず、働きアリは巣を行き来することができる。
 巣は主に木材、石垣などの隙間、農業用マルチ、木の枝や穴のようなところに作り、深さは約20cmである。
 アルゼンチンアリの活動温度は5℃~35℃。
 女王アリが1日あたり産む卵の数は約60個。ただし気温が20℃以下になると産卵しない。
 アルゼンチンアリは雑食性で、特に蜜・シロップ・ジュースのような甘いものを好む。アブラムシ・カイガラムシのような蜜を分泌する動物と共生関係にあり、この動物を食べようとするものは攻撃する。
 動きがすばやく、建物、木や枝、幅木などに沿って特徴的な列を作っている。ただし冬季は行動が鈍る。
画像2枚とも Alex Wild 「myrecos.net」より

アルゼンチンアリの写真アルゼンチンアリの写真

3 アルゼンチンアリの分布・被害、対策など

分布

地図イラスト

原産  南米アメリカ
現在では世界各地で確認されています。
日本国内では1993年に広島県廿日市市で初めて発見され、岩国市は2001年に確認されました。
現在7府県にて生息が確認されています。
広島県南西部、山口県柳井市(2001)、宇部市(2008)、光市(2009)、神戸市(1999)、愛知県田原市(2006)、岐阜県各務原市(2007)、横浜市(2007)、大阪市(2007)、京都市(2009)、静岡県(2009)、東京都(2010)

 (  )内は確認された年。

岩国市においても徐々に生息域を拡大しています。
 

被害

一番の問題点は、生態系の破壊です。在来アリを駆逐し他の昆虫を攻撃し壊滅させてしまうため、在来アリ・昆虫に依存していた植物・動物などが絶滅する可能性があります。またアブラムシやカイガラムシ等の甘い汁を出す動物を保護するので、植物が弱り枯れることもあります。
 アルゼンチンアリは世界の侵略的外来種ワースト100のリストにも掲載されています。

また、アルゼンチンアリに毒はありませんが、大量のアルゼンチンアリが人間の体を噛む、大量のアリが発生し気持ちが悪くなるという観点から不快害虫としても考えられます。

外来生物法

平成17年(2005年)6月1日に、「特定外来生物による生態系等に係る被害防止に関する法律」(外来生物法)が施行されました。法律により指定された動物(特定外来生物)による、生態系、人の生命もしくは身体または農林水産業に係る被害を防止するため、原則として特定外来生物の飼養、栽培、保管または運搬、輸入、譲渡、その他の取扱いを禁止し、国等による特定外来生物の防除を促進するとともに、未判定外来生物の輸入の制限その他所要の措置を講ずることを定めています。
アルゼンチンアリは特定外来生物に指定されています。

アルゼンチンアリ対策広域行政協議会

家と道路の写真平成18年3月にアルゼンチンアリ対策を連携して行うため広島県、山口県、廿日市市、岩国市の2県2市で発足しました。(平成24年6月18日現在、山口県、広島県、岩国市、柳井市、宇部市、光市、廿日市市、大竹市、広島市、府中町で構成されています)
活動内容は国へ要望活動、アリの被害実態の調査、情報の共有化、防除試験を行っています。

 活動内容などについて
山口県自然保護課のページへ<外部リンク>

広島県自然環境課のページへ<外部リンク>

4 防除方法など

アルゼンチンアリの侵入は、

  1. 生息地域が拡大することによる
  2. 最近増えている例として、生息地域から苗、植木鉢などの移動とともに人為的に侵入してくる場合などがあります。一旦侵入すると根絶は非常に困難です。

 日頃からアルゼンチンアリを持ち込まないように気をつけ、アルゼンチンアリの生息地域の場合はなるべく家にアリを近づけないようにします。
 家に巣を作りにくい環境や餌を手に入れにくい環境を作ることが大切です。家に侵入を防ぐなどいくつかの方法をご紹介します。

外壁の写真密封したお菓子の写真

  • アリの侵入経路や巣になっている塀・壁などの割れ目、隙間はつぶしておく
  • アリの巣に熱湯をかけてみる。
  • 植木鉢はアリの巣になりやすいため、鉢を置く場合は、台などの上にのせ直接地面におかないようにする。
  • 家の周りを草刈や木の剪定を行い、アリを近づけないようにする。草刈・剪定したあとの草や木はすぐに片付け処分する。
  • 餌を探しに来ているアリを見つけたら、見つけ次第つぶす。
  • 食物源(お菓子・ペットフード・ゴミなど)は密封するなど、アリが入らないようにし、散らかった場合はきれいに掃除をする。できるだけ食べかすは落とさないようにする。
  • 室内でアリの行列を見つけたら、粘着ローラーでアリを捕まえる。
  • すでにアルゼンチンアリの生息が確認された土地から、植木鉢、植木、苗、資材などを移動する場合は、必ずアリがいるか確認しましょう。

薬剤使用について

※薬剤を使用する場合は、用法・用量等使用上の注意をよく守り、健康被害を及ぼすことのないよう、また周囲の環境に配慮し使用しましょう。

餌(ベイト)型の食べさせる殺アリ剤で、巣ごと駆除するタイプを使用するほうがのぞましい。数多く設置し、行列の側にそっと置く。時々置く場所を変えると効果的。環境の負荷が小さく巣の中のアリも駆除できるが、薬の効果があらわれるのが遅い。

薬剤使用の写真

スプレータイプの殺アリ剤は、目の前のアリには効果があるが、巣のアリなど完全駆除はできない。できるだけ室内の使用は控える。

スプレーしている写真

粉タイプの殺アリ剤は、家の周囲を取り囲むように帯状に散布する。持続的な効果は期待できるが、川などに流入させないこと、散布するときに粉が飛び散らないようにすること。

粉をまいている写真

液体型は、アリの行列に直接かけて使用する。すぐに効くものからゆっくり効くものまであり、使用方法をよく確認し過度に散布しないようにすること。

液体をかけている写真

参考文献等

日本産アリ類データベース<外部リンク>
独立行政法人 国立環境研究所<外部リンク>
 侵入生物データベース内アルゼンチンアリに関するページ<外部リンク>
myrmecos.net(アルゼンチンアリに関する英文のページ)<外部リンク>
Argentine Ants(アルゼンチンアリに関する英文のページ2)<外部リンク>
伊藤文紀(2006) 昆虫と自然41(13) :10-13
砂村栄力・寺山守・坂本洋典・田付貞洋(2007) 昆虫と自然42(7) :43-44

5 アルゼンチンアリの写真(ダウンロード)

ダウンロード